REAL FUTEBOL GUIDANCE vol.2

ジュニア、フットボール育成という現場で、正解なく悩みもがく方たちはとても多い。それは家族がいて自分も子供も蹴る環境にどっぷりとつかっている僕も同じ。
答えはなくとも失敗、成功経験というものを数多くストックしているプロフェッショナル達。
REALな現場の最前線にいるその人達に、直接生の情報を聞いてしまおう! その話の先に見えてくるものがあるかもしれない。
RODA創設者の鶴見がFOOTBALLとFUTSALを熟知した3人とトークを展開。
湘南ベルマーレフットサルクラブ監督 奥村敬人
サッカースクールブリンカール代表 古居俊平
アグレミーナ浜松前監督 豊島明
プロフェッショナルが語ってくれた”生きた”言葉。
RODAスペシャルコンテンツの第二弾となります。
第一弾記事はこちら
https://www.roda.jp/column/column_2002.html

ジュニア育成において、5人制の魅力

RODA鶴見
では次の質問に移りたいと思います。
5人制でやる魅力をお話しいただければなと思うんですが、今だとジュニアのサッカーは8人制ですよね?
5人制と8人制だとどんな違いとかがあるのか?個人的にはどんな事が出来るようになるのか?
ここら辺についてお伺いしたいです。
奥村監督
単純に、ボールタッチ数が6倍なんて言われていますよね。5人制と11人制と比べてのお話ですが。
少年サッカーのサイドバックとかどのくらいボールに触れる機会があるのかな? なんて思っちゃいますよね、昔を思うと。
フットサルってどこのポジションでもすべてボールタッチに関わるし、攻める場合も、守る場合も関われるので、そういったメリットはすごくあるかなと思います。
良く日本の課題なんて言われているストライカーとか、もっともっと生まれやすくなってくるのかなと、常にシュート打つ機会が多いので。
サッカーを1試合やっていてもフォワードの選手のシュート数2本とか、そういったところがフットサルをやったら10本、15本とかになってくると、それだけでも7倍ゴールを奪うチャンスが増える訳で、そう考えると逆にディフェンスの部分の向上にも当然つながってくる。
どこかのトップリーグの有名なチームとかは、フォワードなんかは金で買ってくればいいんだよ的なことを言っていたみたいなんですけど、サッカー先進国とかでも点取り屋に関しての育成には課題があるのかな。
そういった中で、フットサル、5人制、5対5をやることによって、常にゴールを目指す意識をもった選手が増えて、それは指導者にもよると思いますが、どんどん機会を与えてあげられるような雰囲気を作ってあげることによって、そこの課題が解消されてくるのかなと感じています。
RODA鶴見
やっぱり、シュートとか上手くなりますか?
BRINCAR古居代表
うちの今年のフォワード、10番のやつ、大会で30点以上とったんですよ。全国大会で。
それで、この前、愛知県のサッカーの大会なんか決勝相手に2得点とって…
結局、あれっすよ。
ほんとにやっといたほうがいいすよ、フットサル。(笑)
(一同笑)
RODA鶴見
ありがとうございます。(笑)
BRINCAR古居代表
ピヴォ、フォワード入って、相手を背負うってことに対して抵抗がないんですよ。
フットサルやっていたのでそこの抵抗がない。なので簡単に背負えるんです。
そこから反転して、狭いところでシュートうっているので、ちょっと(相手を)外してシュートとか、股抜きしてシュートとか、そういうのが凄く上手くて、入った瞬間それが出来るので。
奥村監督
そうですね。ブラインド狙ったりだとか、そういうことを。
全部外してからシュート打たなきゃいけないとかじゃなく、ボール一個分外せばシュート打てるっていう、そいったものが身に付きやすい。
BRINCAR古居代表
そうそう、打ち方も、トゥキックも打てるので。小学生の育成ではトゥキック打つなって言われるから、フットサルやっている子はそれも柔軟にできる。
点を取るならどんな術でも使おうとする。それが凄くあると思います。
奥村監督
うん。逆にそれを守るから、守備の面でも良くなってくるという。
そこのメリットが一番大きいのかなと思うんですけどね。
RODA鶴見
でもなかなかこう…
古居さんも絶対やったほうがいいでしょなんて言ってくれましたが、
なかなか浸透しないというか、5人制の魅力的なものが。エリアとかあるのかもしれないですが、広がっている感じってありますか?
奥村監督
さっきおっしゃっていた通り、指導者のレベルが上がっていかないと、そこの普及には繋がらないのかなって感じています。
例えば、パラレラやれと言っても、じゃあディフェンスが縦きっているのにそれでもやるの?
戦術をやらせることを目的にしてしまっている指導。
そこで終わらず、「縦をきっていたら逆に中が空くでしょ」とか、
「どうなったらどうなるのか」というところまで教えてあげられる指導者がどれだけいるのか。
ライセンス取った時に、形だけ戦術を、じゃこの形やります、トレ1、トレ2、トレ3、と。そのまま選手たちのレベルとか、相手を見ないでやっちゃっている人がまだ多いと思うので。
そうなってくると、なかなか普及には繋がっていかないのかなと思います。
BRINCAR古居代表
真面目に言われたことをそのままやってしまう。
どっか権威のあるところが推奨していたりすると、やっぱりそうなってしまいますよね。
奥村監督
ぼくらフットサルを始めた頃って、エイトだったら、パス出して、ボールも見ないで抜けて、また戻ってきて、結局ゴール目指してない、みたいな。形だけでやってしまっていたけれども。
でも実際、トヨ(アグレミーナ浜松、豊島前監督)とかナオキ(ボアルース長野、横澤直樹監督)とか、ブラジル行って帰ってきたときに、パス出して、まず二人の関係でスルーパスを狙ってとか、そういう深いところまで解って初めて意味が分かるんですけれど。
そこまで解らない人たちが教えていたら、結局薄っぺらいものになってしまう。
結局ゴールを目指すところとか、さっき話した原理原則じゃないですが、そういった部分が抜けちゃっているので。
そういう指導者は親が見ていても、「なんだこの人」って思われてしまいますよね。
BRINCAR古居代表
でも関東のほうが僕からするとフットサルが進んでいるイメージなんですが、僕ら愛知県とかと比べて。
実際どうなんですか?関東でのフットサルシーンというか。本当にとてもそれが知りたいです。
僕ら愛知県には色々な流れとかが、遅れて入ってくるイメージなんです。だから関東でどういうふうになっているのかが、最終的に似たようなところが愛知県にくると思っているんですが。
いまそのフットサルの普及、サッカー、フットサルを併用している人、もしくは取り入れている人、そういう理解って、サッカーやっている人の何%が考えているのかなと思います。 ロンドリーナさんはやっているじゃないですか。
奥村監督
ロンドリーナは稀じゃないですか。サッカーもフットサルもやっているクラブというのは。
RODA鶴見
ジュニアフットサルの県リーグなんかは昔に比べて整備されてきたイメージですけども。神奈川県。
BRINCAR古居代表
参加チーム数多いんですか?
RODA鶴見
いるんですが、結局全部サッカーチームなんです。
よく言われているのが、参入のハードルが高いなんて聞きますが。
ユニフォームを全部作らなくてはいけないだとか。
気軽に参加が出来ないというのはあります。
やっぱりジュニアのサッカーチームだとサッカーの日程があり、優先されますので、そういったことでなかなか進んでないところがあると思います。
逆に、地元でフットサルに熱のあるコーチは、自分の私設リーグ作って、そこには40チーム位集まってくる。日程を考慮してやっているので。
そういう方たちもいるにはいらっしゃいます。オフィシャルではないですが。
豊島前監督
ジュニア年代、特に12以下になるとどうしてもサッカーがメインですよね。もう10割近く。純粋なフットサルチームは恐らくないんじゃないかな。
BRINCAR古居代表
関東で(そのような状況)?
奥村監督
ロンドリーナは7:3くらいでフットサルじゃないですかね。
豊島前監督
へー、そんなにフットサル。
BRINCAR古居代表
というところだと、うちらが大会でると来てるチームってことですよね。パーシモンとか、トリアネーロとか、大豆戸とか。
大豆戸の末本さんはお話させてもらったときに感じたのは、概念として、フットサルだから、サッカーだから、そういう区分けではなくて、トータルしてどっちもフットボールというところ。 基本的にはそこがニュートラルなので、今日は5人制、今日は8人制だなっと。それだけなんですよね。
豊島前監督
ジュニア年代とかはもうそれでいいですよね。
スタートの時点で名前で分けちゃうんではなくて、いずれ判断すればいいと思いますが。
BRINCAR古居代表
本当、そう思います。
でもそれをみんなが分けたがるんですよ。
フットサルだから強いだけでしょ、とか。フットサルは出来ないし、とか。ただの言い訳を言うわけです。
豊島前監督
だから、それこそジュニア年代のフットサル指導者がまだいないんですよね。
そこでやっぱり、ブリンカールさんはすごいなと思います。
2回全国優勝していますもんね。9年連続で愛知県勝って。
という事は裏を返せば、まだそこを倒せるジュニア年代のチームがないっていうことで、U12の市場でそこを上回っていけているところがない現状ですよね。
良いチーム、良い指導者が出てこないとそこは変わらない。
RODA鶴見
フットサルの現場にいる奥村監督、豊島前監督に聞きたいんですが、中学生年代のとき、基本的には高校生からみんなサッカー選手を夢見て目指すというのは今までの時代のセオリーですよね。
高校年代で今からフットサルのプロ目指すんだっていう選択肢で、自分の未来を切り開こうと頑張っている子というのは出てきているんですか?
奥村監督
実際、高校3年生で来年トップ上がる強化指定の選手がいるんですが、その選手は小学校からずっとフットサル、サッカーを並行してやってきていて、中学卒業のときにフットサルでベルマーレのプロ選手目指すという事で選択した子がいます。
植松晃都とかもそうですしね、実際。(籔内)涼也もそうだし、(牧野)謙心も。
そういう選手はちょいちょい出てきてます。
ただ、ロンドリーナのU15からフットサルにくる選手は1割満たないですね。
やっぱりみんな高校サッカーへいきますかね。
RODA鶴見
両面ありますよね。フットサルでそのままやっていくっていうのもあるし、サッカーで活躍していく子もいるってことですよね。
奥村監督
そうですねー。めちゃくちゃ小さい子で、そこの高校のサッカーにはまるのかななんて思うけど、実際は一番重宝されている。常に顔出したりだとか、そういうところが評価されているのかななんて思いますけどね。
RODA鶴見
具体的にフットサルが活きるシーンてどういうところだと思いますか?
奥村監督
具体的に?うーん。
あんまり目に見えるところではないんですが、例えば、サッカーでスイッチとかやりますか?
フットサルは狭いピッチでやるので、スイッチってすごく効果的に引っかかります。
サッカーで見た場面で記憶にあるなかでは、野洲(高校)の乾がスイッチして、ヒールで落としてアウトサイドに展開して中にセンタリングしたら鹿実のディフェンス誰もいなかったみたいな、野洲の選手3、4人ゴール前走っていて。そんなシーンありましたよね。
あれってフットサルの動きをサッカーのピッチでやってるなって感じていて、スイッチプレーってサッカーのピッチでやったらすごい効果的なんじゃないかなって思うんですよね。
最近だとコーナーキックもいろいろね、感じますよね。
BRINCAR古居代表
そうですね。コーナーキック最近多いですよね。
高校サッカーとか見ていると、フットサルっぽいなとか思いますよ。本当に。
奥村監督
ショートコーナーして、そこでブロックして、後ろから回り込んできてとか。
ベルマーレ(サッカー)も一回、監督から僕に連絡きたんですよ。コーナーキックで良い戦術ない?って。(笑)
BRINCAR古居代表
へー、そんなことあるんですか? 面白いですね!
奥村監督
はい。一週間くらいJの練習に帯同させてもらう機会があって、やっぱりすごくフットサルに理解があるんですよね。
F、Jの試合(現役Fリーガーvs現役Jリーガーによる真剣勝負のフットサルマッチ)とかもありますし。
RODA鶴見
去年もやりましたよね。結果どうだったんですか?
奥村監督
5対5のPK負けです。僕らが。初めてですね(笑)
今までやった試合、前半はいい勝負していて、後半は必ず差がつくんですよ。足に乳酸たまって動けなくなる。ストップゴーとかフェイクの動きについてこれなくなるって話をしていて。
そしたら若くて動ける選手を一分半くらいの間隔でだしてきて(笑)全然運動量落ちなくて。(笑)
でもめっちゃ盛り上がりました。
BRINCAR古居代表
いやーすごいっすね!
そういう事やるんですね!
めっちゃいいクラブっすよ!
奥村監督
サッカーとフットサルのサポーターが集結して、もうすっごい盛り上がるんですよ!
なんか、いろいろ学ばせてもらっています。
BRINCAR古居代表
ただ、そういう事をやっている現場があるなかで、先ほど話した、サッカーとフットサルがフットボールファミリーだ、結局一緒なんだといったこと、そこは消費者は切り分けるんですよね。
トップにそういった選手がいることを見ていても、いざ自分たちの子供に対しては、取り入れない人もいますよね。
絶対取り組んだほうがいいですけどね。
RODA鶴見
例えば、フリーでやっている子は、強いサッカーチームに入らないとだめなのか。
結果、試合にも出れずに辞めてしまう。一流サッカー選手が通ってきたルートと全く同じじゃないといけない風潮なものを感じて。
8人制でも5人制でも狭いコートのなかでやることも大事ですよって、そういった選択肢もありますよ。と伝えきれないもどかしさがあります。 RODAがもう少し伝えていければいいんですが。
BRINCAR古居代表
でも実際、5人制は大事じゃないですかね。
まずシンプルに狭いところでやって、ボールコンタクト6倍ってこと自体で、技術的向上は得られますし、判断する機会も増える。トライ&エラーが6倍ってことですし。
サッカーより急激に成長する機会をもらえるというか。情報量としてはパンクするくらい。
どうやったら上手くなるのか。すぐには解決できない問題がそこにはあるなかで。
技術的なところだと、小学生であると前プレはまったらそこですぐに失点してしまう。それをどういう風に回避するのか、外すのか、仕掛けるのか、そこには技術が求められてきます。
メンタルのところに関しても、勝つ、負ける悔しさも一気に増える。
果たして11人制のサッカーで、みんながどのくらい関わっているのか。サイドバックと、ボランチと、フォワードと、僕からすると4人位じゃないかなと思っています。
4人の連続性がずっと続いて、ボールが移動したことによって、また次の4人、また次の4人って移動しているだけなので、局面でいったらフットサルとそんなに変わらない。
うちにもサッカーチームとうちでやっている子もいますし、サッカーチーム辞めてうちだけでやる子もいますし。だからサッカーやらなきゃいけないってことはまずなくて、大きい問題ではないです。
狭いコートでも、さっき話した原理原則を理解してやれているかってところがちゃんと出来ていれば、特に小学生サッカーが8人制になった今、もうよっぽど、フットサルに、5人制に取り組んでいないチームは後れをとってくるんではないかと思うくらいです。
RODA鶴見
ブリンカールのスクールだけ通って、チームに入っていない子っているんですか?
BRINCAR古居代表
そういう子もいますよ。
でも大体流れとしてはサッカーチームに入りますね。
それ以外では、小学校の時はうちだけでやって、中学に上がったらうちと併用してやるような子とか。中学に上がってもうちだけでやっている子が高校に入って、1年生でレギュラーとったりしている子とかいましたけど。
じゃあそんなに変わるのかっていうと、見る距離、走る距離、というのが変わるくらいで、本当に大事な、1対1止めるとか、仕掛けるとか、もしくは狭い中で崩そうと思ったら3人目の動きってよっぽど熟知していないと、ちょっとでも遅れたらダメなわけで、サッカーだったらちょっとの遅れは大丈夫かもしれない。
よりそれを追求出来ていれば、全然問題ないと思っています。
RODA鶴見
12歳以降で11人制になりますよね。
その時の練習の割合って、フットサルってどのくらい残すんですか?
BRINCAR古居代表
だから難しいですよね。今、ジュニアユースの練習していますが。
じゃあ、センタリングシュートやればサッカーの練習になるのか、どっちが、どれがっていうところですね。
ボールがサッカーボールなのか、フットサルボールなのか。
コートが広いのか、狭いのか。
そこぐらいなので。
僕らはトレーニング自体はニュートラルに、サッカーだからこういうことやるよ、フットサルでこういうのやるよといった、変な線引きはしないで、狭い中でどうするか、広くなって人数増えてどうするか。
サッカーまたはフットサルというか、5人制のフットボールとして取り組んでいます。
線引きせずに両方やっていれば、情報量も半端なく増えるので、そこに向上心が大事になってくると。
いっぱい課題がある中で、何とか上手くなりたいってやっている間にいつの間にか15歳になっている。
つまり夢中になるってことですね。
奥村監督
そうですね、いかに夢中になってやれるかっていう事は大事ですね。
そういう風に指導者が導いていけるかっていうところも。
BRINCAR古居代表
ぼくらの理想もそこです。
楽しさの追求で、最終的には夢中ってとこです。
ゲームをやめなさいって言われるまでやるのに、なぜサッカーの練習だと1時間やって帰ろうとするのか。それを何時間でもやるくらい楽しくする。好きにさせて、夢中にさせる。
夢中になっちゃえば、どんな練習だってやっちゃうので。
奥村監督
練習前に子供たちが遊びで蹴っているのが凄く楽しそうだし、それが一番練習になってるんじゃないかって思う事あります。(笑)
豊島前監督
間違いないです。
指導者がどうこう言っても本人たちがやる気なかったらそれはね。
BRINCAR古居代表
やらされているとやっぱり駄目なんですよ。
自分たちが勝ちたいと思うからっていう風にしていかないと。
RODA鶴見
たまたま僕らはこういうお話が聞けて、すごい感銘を受けて改めて思うのですが、先ほどの話ではないですが、まだまだ声が届いてないというか。
そもそもフットサルしている仲間のなかからでさえも、子供の事となると「サッカーチーム入れなきゃダメでしょ」みたいな話がすぐ出ちゃうんですよ。(笑)
もっといろいろな選択肢があるなかで、フットサルもありだよね、やっぱりフットサルだよねってなっていけばいいなと思って活動していければと思っています。

フットサル、サッカーの育成現場を知り尽くす、3人からいただいたのは正に金言。
フットボールのジュニア育成においての有効性は最早言うまでもなく、改めてフットサル専門店としてRODAに何が出来るのか。
次回完結、鶴見は3人に直球の質問をぶつけます。
「どうすれば上手くなるの?」
子を持つ親なら気になりますよね。
次回、続きは4月上旬公開予定。お楽しみに。
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